眠れぬ朝に実験する(親指1000字エッセイ)/佐々宝砂
 
睡眠薬服んだのに朝になってしまった。眠るの大好き、夜の夢大好きな人なので不満である。眠れぬ夜は本を読む習慣だが、眠れぬ朝はどうしたものか。私の枕元の本はみなホラーで、朝の光に似つかわしくない。悩んだ挙句、こうして携帯で散文を書いてみている。個人的にはじめての試みだから、一応実験だ。

文章というものは、何を用いて書くかによって変化する。少なくとも私の場合はかなり激しく変化する。句会で筆を使わされたときは、つい書きやすい文字を選んでしまった。一般的な原稿用紙を使うと、まのびする気がして外来語が減る。ワープロの使いはじめは漢字が増えた。IME、ATOK、ことえりなどなど、どの日本語変換システムを使
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