虚偽と忘却のエピソード/atsuchan69
 
る長い尾が片足に巻きついている。
 「あっ、確かあいつはTVで見たことがあるぞ。連続婦女暴行殺人犯のナントカって言う・・・・」
 「そのとおり。逮捕された後もこれだ。きっと彼には、セーラー服の女子学生が見えているのだろう」
 「゙えーっ、でも、いくら彼が死刑囚だとしても果たしてフルフルの『餌』にしても良いのかな」
 「たぶん。――これもまた君たちの類型構造のひとつだからね」
 残忍な「牡鹿」は眼を細めて、宙にぶら下げた「餌」をしばらく美味しそうに涎をたらして見つづけた。男の顔は、あまりの恐怖のために能面のように硬直していた。そうして、バキバキと骨を砕く音ともに興奮したフルフルを鎮めるため
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