君の街まで桜色のバスに乗って〜2004年秋〜/はじめ
に当てて耳を澄ます
君の嬉しそうな春の会話が聞こえてくる
しかしもう君はいない
切なさが破裂した水道管のように溢れてきて涙を流した
僕は墓にキスをした そして名残惜しそうに去った
彼女は晩秋のある夜 眠るように息を引き取った
葬式の時 僕は堪えきれなくなって式場を後にした
空は既に陽が落ちかかっていて 渡り鳥達が異国の地へ旅立っていった
僕の目は涙で一杯になっていた
自然は僕にさよならを告げるように微かな力で揺れていた
冬がすぐそこまで迫って来ている
君の街は凍り付こうとしている
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