考察/Tsu-Yo
 
〈海辺にて〉
水平線に帽子を被せている人を見た
世界と対等に向き合うということは
それほど
難しいことではないのかもしれない
子供たちに蹴飛ばされた波が
海の向こうで
砂浜に描かれた絵を消している
(あるいは誰かを暗い海の底へと)
傷つけることでしか
繋がれない時もある
じっと見つめられると
やはり
僕らは無口になってしまう


〈学校にて〉
先生をビーカーに入れて
塩酸で溶かすと
同じだけの虚しさが
胸の中に生まれた
誰かが質量保存の法則だ、と叫び
それはたぶん正しいことだった
その日
トスカーナ州の子供たちは
ピサの斜塔を蹴り倒し
てんで間違
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