駅・軽井沢/たりぽん(大理 奔)
 
踏みつけていた
いつの間にか踏みつけていた
直線歯車(ラックレール)

きれぎれにされた
人生のように
強さだけを必要とされて

  ずっとつながっていました
  峠を越えるのです
  背負っていくのです
  ずっとつながっていたいのです
  
かみ合わない生き方と
重苦しい鈍重(アプト)な旅

  駅には現代風の浮かれたメロディが流れてはいるけれど

からまつ林のように黒い
歯車(ラック)の断片は
冷たいかなしみの標本のように




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