35、希望 【きぼう】/
雨宮 之人
朝の光が差し込んで
僕は夜の海から掬われる
灯台の灯に照らされて
船はいつか僕を見つけるだろう
遠く鐘の音が聞こえ
近く電車の軋む音もする
遥かより陽は昇り
影が僕の背中から着いてくる
繰り返す一日のリズムを覚えてきた
やがてそれは突然に終わると知りながら
だがそれまでは、安心して眠れるのだ
明日の保障を僕は何処かで得て
それがために前のめりで歩く
時折 空を、見上げながら
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