たそがれ窓/未有花
 
この窓を開けると
いつでも夕暮れを見ることができます
橙色の空と感傷的な思い出たち
それらのものがいつでも見ることができるのです

今真っ赤な夕日が
水平線の彼方に沈んで行きます
あれは幼い頃に見た夕焼けでしょうか
それともあなたとみつめた黄昏なのかもしれません

こうして夕暮れの中にたたずんでいると
だんだん記憶が曖昧になってきて
今こうして見ている夕空さえ
いつの頃に見たものかわからなくなってきます

でもそれでいいのです
いつの日も夕暮れは
思い出の中にあるのですから

茜色の空を一筋の飛行機雲が飛んで行きます
あの飛行機雲はどこまで飛んで行くのでしょ
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   グループ"夕暮れ詩集"
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