降り来る言葉 ?/木立 悟
光のほこさき
たましいの生まれた朝が見えるよ
空のかげ
行方のかげ
手のひらに落ちるよ
青空の下の
明るい異形の動物たちの前に
蒼と銀の
光の粒の柱の前に
ひとりの子が両腕をひらいて歌っていて
空へ昇るすべての粒に洗われて
うなじも背中も微笑みながら
たくさんの異形の動物たちとともに
午後の光に遊びはじめる
かがやきはそのかがやきのまま
歌はその歌のまま
どうしてもどうしてもそこにいるように
どうしようもなくかがやいている
海のなかのふたつの木を
夜が通り過ぎてゆく
冬の終わりとはじまりのように
歌の終わりとはじまりのように
ひとりの子のあしあとのように
空はひたひたと白く咲きひらく
空をゆくかたち
光のほこさき
たましいの生まれた朝が見えるよ
空のかげ
行方のかげ
手のひらに落ちるよ
手のひらに落ちるよ
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