夜のかたちのピッテロビアンコ/たりぽん(大理 奔)
夜の街で闇をさがし
身を隠す暗がりにも
灯りを求めたりして
中途半端なままだね
いつもぼくらは
言葉の空白にふるえて
粋な単語たちをあつめ
草の実に糸を通すようにつないで
数珠のようだ、なんて笑っても
夕暮れには、ちぎれてばらばらで
わっかはいつまでも完成しない
意味だけを求めて
つないでいくことを
知らないままに暗がりに
逃げ込もうとしても
綺麗ないい訳に包んで
仄かな灯りの闇では
消えることもできない
真昼の日差しに闇を知る
暗がりを求めたのはこの身
薄皮でひとのかたちをした
葡萄
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