夜のかたちのピッテロビアンコ/
たりぽん(大理 奔)
葡萄のような、世界
闇が無くても光はあるのに
明るい真昼だけが
この暗闇を生むのか
ただ君と居たいという
湿っぽい絨毯のような
それだけが真実で
宙ぶらりんな葡萄が
枝から落ちぬようにつく嘘
誰も傷つけぬように傷ついた
しみ出す甘い汁を舐める
夜の街に逃げ込んで
あなたをしぼって飲み干すから
小さなわっかをかけて
中途半端なままいつまでも
ぼくらは
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