世界から抜け落ちて<18のprose-5->/ウデラコウ
 
人の流れに逆らって 夜の隅で
束の間の休暇を 弄ろう

僕達は あまりにもお互いに貪欲で それでいて
お互いを 労わりすぎるから

いつも 触れるか 触れないかで 離れてゆくけど
今日だけは 世界から抜け落ちて

煙草の味が 微かに残る 君を合図に

さぁ 全てを 放して 忘れてしまおう

大丈夫 もう誰も あのトビラをノックして
君を攫ったり 僕を攫ったりしないから

タイムリミットのベルが あのホームで鳴り響くまで
この境界線から 堕ちてしまおう

熱い君の手に 僕は不安そうに その額へ 冷たい手を 翳すけど
君は僕の手をとって 一度だけそっと笑むと

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