「詩と言葉に関する覚え書き」 その1/ベンジャミン
 
詩の中の言葉は)時間をかけて読まれるものであると思う。それなのに僕は、詩を書くことにためらいもなく、まるで砂漠に埋もれた金の粒をさがすように、詩を(あるいはそれに似た言葉を)自分から引き出そうと懸命になっている。

かつて僕の詩を評して、「それが詩である所以」を論じてくれた人がいた。けれどそれは正確には、僕の作品に向けられたものでなく、詩を書く人すべてに対して発せられたものであることを、僕自身しっかりと自覚している。
ある人は言う「あなたが書いているのは詩ではありません」、またある人は言う「まるで中原中也のようですね」、またまたある人は「それは賢治の模倣ですか」と言う。


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