極楽浄土へ、いざゆかん/なかがわひろか
水面に浮かぶ頭部が一つ
どっかで見たなと思ったら
あんたの首に乗ってたやつだ
森に潜む首三つ
どっかで撫でたと思ったら
あんたの種で産んだ子だ
ろくな人生歩めない
ろくなやつらと出会えない
嗚呼極楽浄土へいざゆかん
天国地獄どっちも嫌い
我は風の子大地の子
こんな私で御免なさい
夜露に濡れる股一つ
あんたはあんたで生きりゃいい
アタシはアタシくだらない
人生は川何処へ行く
食い気は色気
腹の足しにもなりゃしない
嗚呼極楽浄土へいざゆかん
天国地獄どっちも地獄
(「極楽浄土へ、いざゆかん」)
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