世界/もも うさぎ
 

時間軸や、時空の動きをメモする欄があった。


あたしが仕事に戸惑っていると、
一人の男性が近くにやってきて、
「外をごらん」 と言った。


いつのまにか
まわりの影のような人たちは、すうっといなくなり、
(どんどん薄くなっていった、というのが正しいかもしれない)、
部屋にいるのはあたしと彼だけになっていた。


外を見渡すと、
それは 宝石の屑をちりばめたような夜景で、
斜めにそびえたつ時計台や
ちいさな火のいくつも揺れる灯篭を流したような川や
灯台や 飛行機を迎え撃つ煌くビル郡や


童話の挿絵のように
美しい細胞の果ての果てのように


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