世界/もも うさぎ
 


暗闇にそれらは広がっていた。



「ここから見える 流れ星や 雷の落ちた場所を、
 その方眼紙に書き込んでもらいたい」
と、彼は言った。


「そんなことできるの?」
と あたしは狼狽したけれど、
「できるさ」 と 言われ


また窓の外に視線を戻した。



方眼紙には
隕石が落ちた時に書く欄もあり
隕石の種類別に 違うマークを書き込むように、と指示が書かれていた。



あたしはずっと窓の外を見ていたけど、
隕石どころか、
雷も落ちないし、流れ星も 落ちなかった。


彼はそのまま横にいて、
何も喋らずに何かの仕事をしていた
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