花火/もも うさぎ
長いこと 時間はたった
ずいぶんと 睫毛も 声も 痩せてしまったね、と笑う
それすらも
全部両手で抱えて持ってゆきたい 日常の風景のひとつだった
おぼつかない足取りで
浴衣を着て
後ろからその帯を結ぶわたしの指には
確実にあった時間という しわやしみがたくさんあって
いとおしい日々よ
その昔、書いた詩は
死、というものを真っ向から見据えようとして
それがどんなに哀しいものなのか
いかに虚無なものなのか
目を逸らさずに、美談にせずに
そうやって必死に見ていた
それは、若さゆえの、
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