ひきてゆかしむ/佐々宝砂
 
ない類の病に属する症状であり、アルコール依存症患者が酒を欲しがるごとくにある特定の人物の言葉をほしがりその言葉のはしばしに一喜一憂するという恐るべき末期症状を呈している一方、あのバカは自分で思うほどには要領がよくないし不器用だし挫折まるだしで自分のことはまるで見えてない、と考える程度の批判的理性はいまだ有しており、にも関わらず作者はその人物の言動に由来する自らの心理的乱気流を鎮めるために多くの時間を無駄に費やしている。その人物と話でもすれば幾分鎮まるはずなのだが、その人物は特撮物のヒーローでもないくせにいつも時機を逸して現れ、時機を逸するものだからよく誤解され揶揄され、作者はそうした揶揄の現場をみ
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   グループ"Light Epics"
   Point(4)