「宇宙犬ライカ」序文/佐々宝砂
 
おそらく追放奴隷ないし犯罪者であったと推測する。犯罪者を宇宙船に乗せて追放するという刑罰が、かつてオーストラリアに存在したのであり、我々の祖ライカも犯罪者の一人であり、それゆえ「犬」という蔑称で呼ばれたのであろう。あるいは、ライカは追放奴隷の最初の一人であったのかもしれない。

この説を嫌う人は誠に多い。しかし我々の祖がたとえ「犬」であったとしても、それは、我々人類が卑しいものであるということにはならない。ライカは故郷「オーストラリア」をひとり出立し(それが犯罪に対する刑罰としてなされたものであるとしても)、ひとり新たな惑星に降り立ち、我々人類の祖となったのである。たとえ犯罪者であろうとも追放奴隷であろうとも、ライカの功績はたたえられるべきだ。「宇宙犬ライカ説」を否定することは、我々の母たるライカの存在を否定することであり、かえって冒涜的ではないかと私は考えるのである。

なお、この書物が、K・マッキントッシュ氏の協力により生まれたものであることを明記しておきたい。マッキントッシュ氏に感謝を。
   グループ"Light Epics"
   Point(6)