エリオット「伝統と個人の才能」/藤原 実
徹「エリオットのシェリー評価」http://www.bunkyo.ac.jp/faculty/lib/klib/shelley/ls05/ls05.htm)
こう見てくると唯野先生のようにエリオットに権威主義を感じるのは、あまりにエリオットをまじめにとらえすぎているからではないだろうかと思えてくる。エリオットやかれの考えをあまりにおもおもしく受け止めるために、かれを批判しているつもりの本人が、じつは最も「二十世紀の巨人」というようなエリオットの幻影にしばられているのではないか。
ぼくじしんは二十世紀最大の詩の手品師としてかれの手業を楽しむようなところからエリオットの再評価------それは二十世紀の詩の歴史を再評価することにもつながる------をしてゆけたら、と思う。
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