ペイター「ルネサンス」(1)/藤原 実
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ペイターよすべて
ポプラの木のささやき
だが『影よさようなら
水にうつる木は切られてしまった」
(西脇順三郎『コップの黄昏』)
『世界の詩論』(青土社)のT.E.ヒューム(「ベルグソンの芸術論」)の項の解説で新
倉俊一さんは「現実は習慣によって覆われているので、新しい比喩によってしか把握され
ない、というヒュームの説は、西脇順三郎の詩法の源泉となった」と書いている。
「もし実在(リアリティ)が感性や意識と直接に接触し得るものとしたら、芸術
は無用であろう、いな、むしろ、われわれすべてが芸術
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