ヒューム「ベルグソンの芸術論」(5)/藤原 実
ポエジイはこの事実によって人間の精神的な救済であろう。仏教もキリスト教もその真の意味ではそうしたポエジイであると思う。この点はポエジイの無限な効用であろう。
ポエジイは人間の感じ得る最大な哀愁の美である。ただこの淋しい感性によってのみ一般の生物は「永遠」を幾分感じる可能性がある。しかしこれらはポエジイの目的ではなく単なる幸福な結果である。
ポエジイの目的はポエジイである。
(西脇順三郎「詩學」14:筑摩叢書)
由良君美の「回想の西脇順三郎」( http://www.keio-up.co.jp/kup/webonly/art/k
[次のページ]
前 次 グループ"『世界の詩論』(青土社)を読む"
編 削 Point(6)