ヒューム「ベルグソンの芸術論」(5)/藤原 実
 
べく所を得、あげく完成した作品はエリオット氏の傑作と称さるべき逸品である」
        (「ノンセンスの領域」)


あまりにもマジメすぎ、コトバを窒息させてしまった荒地派の詩人たちによって、いわゆる「戦後詩」とよばれるものは息も絶え絶えの状態になってしまった、というのがぼくの印象です。
ぼくが詩を書き始めた十代---むかしむかし三十年以上も前のことですが---のころは、まだまだ荒地派を中心に現代詩を語るような雰囲気があり、ぼくも彼らの詩を読んでいました。でも、今あらためて読もうとすると、非常にしんどい、というのが素直な感想なのです。
それは、内容が重いか
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   Point(6)