ヒューム「ベルグソンの芸術論」(6)/藤原 実
 
し、その詩の動力におさまるという奇観…」
        (荒川洋治「詩人寺山修司」)


親しくつきあった谷川俊太郎でさえ「寺山は現代詩にはいいものがなかった」というようなことをどこかで言っていたように記憶しているのですが、これは戦後詩におけるモダニズムへの評価の低さがそのまま影響しているようにぼくには思えてなりません。




(補足)
劇団「天井桟敷」についてあれこれ書いていてなんですが、その舞台をぼくは観たことがありません。寺山の晩年、「天井桟敷」は関西公演もおこなっていて、観るチャンスはあったのですが、なぜか「観たい」という気になりませんでした。
そしていまでもそのことに対する後悔の念というものは不思議と湧いてこないのです。
ぼくにとって寺山修司とは、ただ彼のコトバであれば充分、なのです。

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