命の大切さ/ajisai
ニエル。僕だけの力じゃこの子を助けられない
お願いだ、君の力を貸して欲しい」
天使は驚いて首を横に振った
「そんなのだめよ、運命に逆らうことになるわ
神がお許しにならないわよ
それにそんな小さな子猫程度の命なんか」
「命に大きい小さいなんてあるもんか」
死神は天使の話を遮ってそう叫んだ
「僕はこの子を助ける」
死神は黒い羽を背から一枚抜き取ると
羽で子猫を一撫でした
淡い蒼い光に包まれた黒い羽は子猫へと溶け込んだ
意識は回復したようだが、子猫の息はまだか弱げだ
「僕ひとりの力じゃ助けられないのか」
もう一度同じことを試すが子猫はまだぐったりとしている
「お願いだ
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