春の日/石瀬琳々
 
君の目が欲しいんだただ春の日に
    やさしさなんて知らなくていい


叩くたたく野に打つ雨に踏みにじる
    花の弔いこのぴあのソロ


かなしみは街角で吹くシャボン玉
    それとも一人つぶす苺の


たそがれの音楽室に忍び込み
    セロの弦切る盲目は早く


破り捨てやぶりすてまた書く手紙
    うつしみを乞う春の日はゆく



   グループ"薊道"
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