夏至祭/
石瀬琳々
燃えながら灰のなかから生まれる鳥
その目にうつる火祭りの夜
名前なき舟ならばただ漂うか
海に溺れて星があかるい
不確かさそれのみ満ちる雨のごと
うすい胸にも染みる薔薇香(こう)
六月の火よ焼き尽くせこのこころ
真昼は今も熱を保って
草いきれ、が絡みついてはなれない
夕べの意味を奥処(おくか)に刻む
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グループ"薊道"
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