6.背徳のプレリュード/朽木 裕
その優しさ、砂糖菓子の甘さ
日常が不完全すぎて隙が出来てしまうんだよ
自分の逃げ場を作ってしまうようで嫌なんだ
甘えてしまえば依存する
そんなのは嫌 嫌 嫌
その存在が意識に無意識に入り込んできてしまうんだ
大きな手のひらに撫でられてみたい
広い肩を抱きしめてみたい
無垢な瞳 泣かせてみたい 困らせたい
言い寄ったら困るのだろうか 想像してみたりする
それは背徳のプレリュード
甘い痺れ 毒
毒 チョコレィト
チョコレィト 甘い
甘い 優しさ
優しさ 貴方
想像すら罪になるのですか?
だって好きなんだ 仕様がないでしょう?
この雨みたいに貴方に染み込みたい
雫のように貴方を滴らせたい
貴方を好きになる前の私をかえしてよ
いつだって貴方は少し上から私を見ていて
困ったときにはいつだって助け出してくれるんだ
ずるい
ずるいよ
関係はなにも変わらない
私は貴方に好きなんて言わないまま
ただ焦れる
触れたい指は届かぬまま
貴方に好きと言えないままで
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