小詩集【金貨のためのオルゴール】/千波 一也
 
  だから、光

  それだけは
  疑いようもないのに

  疑わずにはいられない


  さようなら、は
  あと幾つ

 
  水のなかの風

  その向こう、
  遙かな問いかけが
  空なのかも知れない




四、オルゴール弾き


  胸のうちにある
  たしかな
  金属は

  この世でたったひとつの
  かなしみです

 
  生身であることを
  証すための痛み、なら

  どんな音色にも
  そのゆびを

  いとしさを


  奏でるひとが
  いてもいい

  けれどもそれは通過点
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