小詩集【金貨のためのオルゴール】/千波 一也
点
やがては弾いて
傷になる
いつか
どこかで
なにかをかばう
途切れ途切れ、が
なめらかさ
嘘だとか
ほんとうだとか
そういうことではなく
ささやかな
すべての箱への
お返しに
夢のそとから
古い
軌道で
五、予感
涙から
とおいところばかり
数えていたら
行き止まりさえ
意味をなさなくなってしまう
天使のうたは
たいようだけのもの、ではない
雷雨はかならずしも
おそろしい
[次のページ]
前 次 グループ"【こころみ詩集】"
編 削 Point(16)