小詩集【金貨のためのオルゴール】/千波 一也
 
ぎな時計と
  こんばんは

 
  おぼえて
  いましたか
 
  気づいていますか

  その菓子の
  もともとのいろ

 
  なくしていない、
  鍵穴とろり




三、噴水


  それは
  たやすい無限の
  数、かたち


  みつめることで
  遠のいて

  聴かないつもりが
  響きあう


  おおやけの園、
 
  あかるいことも
  暗がりも
  おなじ
  花

  誰かのために
  誰をも
  えらばず


  金貨は
  そういうなかで
  錆びてゆく

  
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