小詩集【金貨のためのオルゴール】/千波 一也
 



一、星が生まれた日


  少年が落としてしまう、
  それは
  あまりに
  優しいもので
 
  いつまでも思い出は
  少女のかげをしています


  夢から覚めて
  くちもとに
  残るのは
  あどけない運び、です


  名前はもろくも
  かたくなで、
 
  呼ばれています
  呼んでいます
 
  かぼそい首の
  うつむき、かたむき、
  すべてのかぜと
  宇宙にのって

  あてにならない
  かがやきを
  いま、


  広がりゆくのなら
  閉じてゆくべきです
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