小詩集【流星たちの夜】/千波 一也
 

ぼくの靴は昨日より
すり減って
くたくた
です


 どこか、
 遠くへいけば
 少しは楽になれますか


見上げた夜空に
星くずはまたたいて
ぼくは
そこに
なにかを
聴きたくて
聴けなくて

ひとり、
おだやかに
つまさきを
見つめ直しました

なるべく
ひとには
背を向けて





三 深まりゆく水に


深まりゆく水に
あらがい続けた果てを
底とよぶ

深まりゆく水に
寄り添い続けた果ても
底とよぶ

そして
底から見上げるものは
みな明るくて
みな美しい

そんなやさしい真実が
深まりゆ
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