小詩集【レトロな猛毒】side.A/千波 一也
 

怖くもあって
ふっ、と
触れてみた瞬間からは
すばやく
とける

そこから色は不自由に
やわらかな不思議を
不純にさせる


リボンと雪は手を知らない

手のようなもの
目のような、
ひと

そういうものに詳しくなって
形はうつろう

いつわりを戒めるように
ひとつを創らない、
一途なむすびめ


リボンと雪はぼくから遠い

逆手にとればゆめだから
いついつまでもすくう、
うた

きみはどこまで離れてゆける
寄り添うことに
凍えるまえに

きみはどこからなくしてゆける
得るものごとに
つかれるまえに


リボンと雪は
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