小詩集【レトロな猛毒】side.A/千波 一也
雪は消えたりしない
課される荷物に
とまどいながらも
六、その後のあなた
お久しぶりですね
似たような風に
互いに吹かれては
かならず達者で暮らせよと
別れ際には笑ったものですが
いまも
お変わりありませんか
いまでも変わってゆけますか
捨てきれない現実があって
わかっていながらも
ここは中途半端で
常に、
恥ずかしさの吹き溜まりです
ただし
呼吸はうまくなりました
それゆえ繰り返すのでしょうね
すべて、
報われないとしても
すべて
しつこい光にさよならを
しぶとい闇にも
さよならを
そう、
はじめから
答えはわかっていましたから
笑ってもらうなら
あなたのほかにはいない気がして
その後のあなたが気になりました
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