小詩集【レトロな猛毒】side.C/千波 一也
 
などはどこにもない夏だった

それを
かばいきれない純真が
燃やしつづけたときの向こう



本音はいつでも変わってしまえるから
ありえないまぼろしには
まだ逢えない


夢のつづきはいつまでも夢
まぎれることなく
瞳をとじれば

まもられて




四、ネオンテトラ


飲み干した香水が
ふくらみ過ぎて
くれないの、
ルージュ


釣り上げられた満月に
寂しく揺れたら
尾ひれは
逃げて

そこから跳ねた、
スコールの
おと



争うばかりのダンスに落ちて
紳士も
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