暗い日曜日/六崎杏介
 
蟻と白い遊びに耽り臥せるカナリアの葬列を指揮す
既視た四季の球式のハレルヤを灼くマグマは今から
あの蒼い仔馬を幕間に喰らい古い悪魔の風呂にする
プロムナードを歌うプラムを噛る鴉が悲鳴に嗤うと
黒いゴートをガラスが引き裂き緋な芥子が咲き狂う
瓦礫を紡ぐフルートが銀河の駅舎で学者の首を括る
苦痛の氷が頭蓋の周囲を廻り変わり果てた鳥たちの
巨大な觜の群れで震える私の生い立ちは轍に朽果て
菩提無く地を濡らすグラスの赤い液体に暮す教父が
私の為の娼婦を溺死にしようとフクロウに話す声が
聞こえる私は海を越える為今麻の袋に花と靴も入れ
朝から起きていたがトイレに確か忘れた傘があるが
トイレは遠い歴史上に有ったから傘を取れ無かった
私はトレイのコピー紙を全て読んだが一糸も纏わぬ
形の知らぬ私の娼婦を救えず机で泣いてしまった。
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