Star Ship/恋月 ぴの
 
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんなあなたの部屋で
わたしは確かに感じてしまう
ドアノブから
ふとした小物たちから
立ち昇ってくる
濃密なあなたの気配
それはおとこのひとだけが醸し出す
おとこらしさのうねり
わたしは見てしまう
窓の奥深く隠されていたもの
見てはいけなかったもの
おとこのひとなら誰でもするように
幾重にも揺らめく
その隠されていたものを
あなたは見つめながら
押し寄せる波頭の勢いを確めては
遺伝子のおもむくままに
旅する船の朧げなかたちを求め
窓の奥深く隠されていたもの
わたしが見てしまったもの
に向けて
あなたはひとり砕波まで綾を解く

   グループ"ラヴ・ジェニック"
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