女王の片恋に関する11のソネット/佐々宝砂
 
れる、

きみは硬直したまま
ベッドのうえで
それを見ている。

目を閉じようとしない
女王と目が合ってしまって、
きみはひどく困惑する。


その7

女王の目にとまり
不幸にも女王に愛されたきみは
石造りの図書館に幽閉され
辛苦と愉悦を同時に味わう。

ひびわれた石、
虫食いだらけの竹紙、
古色蒼然とした羊皮紙、
あるいはTXT、でなければHTML、

あらゆる媒体に綴られ、
蓄積され、
読者を得なかった無量の怨詛。

それらすべてを
女王は他ならぬきみに託したが、
解読を期待されてると思ったら誤りだ。


その8

埃と黴。
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