三華遠  冬の刃/木立 悟
 




岩の内にとどく音
弾かれる赤が作る渦
目を閉じたけだものの口もとから
わずかに見える牙の連なり
白と緑を断ち切るひかり



さざめくものをおさえきれず
夜を駆け
夜を浴び
夜を抱く
角(つの)から角(つの)へ
くちばしからくちばしへ
花は触れるものすべてを染め
空に添う



砂は凍り
流れる
溶けぬまま ほぐれ
流れる
まだらのひかり
けだものの声
近づく命を
双葉に変える





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