異形の詩歴書 高校編その1/佐々宝砂
部活動が強制加入だったから、どこのクラブに入るか決めなくてはならなかった。中学生のときブラスバンドでホルンとトロンボーンを吹いていた私には、〆切ぎりぎりの5月になっても管弦楽部から勧誘がきた。女子高なので金管楽器経験者が少なくて、私は「貴重な人材」だったのだ。しかし私は、ちょっと運動会系的なところのあるブラスバンドがキライになっていて、高校に入ってまで続ける気はなかった。そうでなくとも私には、ここに詳細は書かないけれども、音楽に対する自信を失わせた疾患があった。
音楽がダメだとしたら、何がいいだろう? 文芸部という選択肢がちらと頭をよぎった。しかし私は、日記以外にまとまった文章を書
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