異形の詩歴書 高校編その1/佐々宝砂
かも女の子と遊ぶくらいつまらないことはないと思っていたので、女子高を受験することが決まった時点でひどく投げやりな気分になっていた。どうしてこんなとこに入ることになったのか、ああつまらないつまらない、何もしたくない、もう死んでもいい、だけど死ぬのもめんどくさい。そんなことばかり考えていた入学式の当日、私の機嫌は突然よくなった。
図書館があったのだ。田舎の高校としては非常に充実した、柔らかい本も硬い本も取り揃えた広い図書館が! 入学式が終わったあと、私はクラスメートの顔も名前も確認せず教室を飛び出て図書館に行った。見たこともない本がたくさんあった。名前しか知らなかった本もあった。うつくしい本
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