異形の詩歴書 高校編その3/佐々宝砂
ちゃんと全部見ることができた。だからこそ、田舎にもオタクは誕生しつつあったのだが、私を含め、田舎に住んでるオタクたちは、イデオンに熱狂しガンダムに夢中になりザブングル(笑)まで見ておきながら、自分たちがオタクであるということすら知らなかった。とりあえず、そんな時代である。時代のことを思い出すのは、手がかりさえあればむずかしくない。
しかし、16歳だった自分を思い出すのはむずかしい。私が詩(らしきもの)を書き始めたのは確かに16歳のときなのだけれど、なぜ書き始めたか、実は自分でもはっきり思い出せない。ジム・モリソンの歌詞を翻訳してみたのが詩を書き始めたきっかけだと以前私は書いたが、自分の日記
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