異形の詩歴書 高校編その4/佐々宝砂
いたい、たくさん読むと金が足りないに決まっているから、どうしたって図書館に通うことになるはずだ。私は市立図書館にも通ったが、そこでも文芸部員の姿を見ることがなかった。私は不思議でたまらなかった。図書館にこない彼女たちは、いったいどんなものを読んでいるのか? わずかな本を精読しているのか、それともすごい金持ちなので図書館なんか無用なのか、それとも本なんか読まなくても文芸作品を作れる才能を持っているのか? 文芸部の文集は何度か読んだが、頭になんにも残らなかった。つまらなかったという記憶すらない。山のよーに読みまくっている中の一冊だから、よほど魅力がないと記憶に残らないのだ。別に不味い文章だったのではな
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