異形の詩歴書 高校編その5/佐々宝砂
高校二年に進級した私の環境は正直言ってあまりよくなかった。一年生のときロールモデルにしたいと思った教師とは接点がなくなり、非常に相性の悪い若い男が担任になった。まあ人気のない教師ではあった。いま思えばかわいそうだとも思う。なんしろ女子高教師27歳男独身なのに生徒に人気がなかったんだから (笑
当時、普通の高校生が今もそうであるように、私は自分の将来についてちょっとだけ考えなくてはならなかった。少なくとも、進学か就職か、理系か文系か、それだけはどうしても決定しなくてはならなかった。進学校ではなかったにしろ、いくらかは四年制大学に進学している学校で、進学クラス自体もいちおう理系と文系に分かれ
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