連音/サバニ/AB(なかほど)
秋も終わろうとする頃の曽々木海岸は
夏の終わりの穏やかさや冬の激しさもなく
ただ駐車場から公衆便所へと歩く僕は
景色に吸い込まれて
浜には
放置されたものなのか
駆動機もついていない小舟が横目に入る
その陰からカサカサと
打ち揚げられた藻屑か
吹下ろされた枯葉か
もしかしたら浜比嘉で見つけた
ガザミかもしれない
たぶんそれは小さな二尾なのだろう
やがて
波の音が聞こえ出すかもしれないので
確かめるほどでもない
と言い聞かせ
足を速めた
波の音は おーい って
波の音が おーい って
小舟の陰では カサカサ って
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