連音/はんだやー/AB(なかほど)
炬燵にしようかどうしようか
と思いながらも身は縮んでゆき
まるで寂しがりやの格好で
膝を抱える
どうしてこう膝を抱えると
思い出さなくてもいい友達の
笑顔が入れ替わり立ち代わり
浮かんでは消え
消えては浮かんで
声さえもすぐ近くに聞こえたり
遠くからも優しく
気付くと鼻水そうそうと
誰にも気付かれることはないので
気にすることもないのだけれど
どうせ鼻水流すなら
鴨池に帰ってくるコサギの姿を待ちながら
暖炉にくべるための薪を割りながら
プレゼントを握りしめながら
待ち合わせの時計を見たりしながら
その時計の狂っていることを祈りながら
も
向かいの能登屋の蒸し器からもれる湯気
をぼんやり眺めながら
よいしょ
と立ち上がり
押し入れから炬燵を引っ張り出す
頬っぺの紅く染まった君の顔が浮かぶたび
鼻をかんでばかりもいられないので
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