死神と私 −蒼い電車−/蒸発王
“電車に乗る時は”
“なるべく人の多い車両にのりなさい”
“蒼い電車に出会ってはいけませんよ”
口うるさく喚く死神を後に
私はドアを閉めました
名付け親の死神は時々どうしようもなく過保護です
先だって
今日は遅くなります と
爪を切る背中に断ったところ
驚きすぎて表情が消えてしまったようです
手元が狂って爪切りで親指を切ったようですが
そんなことも気にせずワキワキと手を動かしてとりみだしました
知らぬ顔で買った切符を確かめたら
其れを見た死神が電車でいくのかとせっついてきました
むしょうにむっとして頷くと
電車に乗る時は
なるべく
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