友達の物語/アンテ
 

                                 (喪失の物語)


毎日ひとつ届けられる包みには
友達が一人入っていて
特に拒む理由もなかったので
彼女はそのたび家に迎え入れた
最初こそ楽しい時間が流れたが
人数が増えるにつれて騒々しさばかりが増し
常にだれかが一緒で息つく暇もなく
家も手狭になってきたので
彼女は友達全員を集めて空き部屋に詰め込み
鍵をかけて出られなくした
毎日の暮らしは落ち着きを取りもどしたが
友達はその後も毎日一人届けられ
部屋は家畜小屋の様相を呈しはじめたので
そうしてまで一緒に暮らすこともあるまいと
彼女はある日廃材
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