友達の物語/アンテ
 
廃材屋に頼んで
全員を引き取ってもらうことにした
廃材屋は部屋に乗り込んで
友達を一人ずつ捕まえては手際よく縛り上げ
たちまち全員が丸太のように床に並んだ
友達はみな大声でわめき散らしたが
廃材屋は平然と車の荷台に積み込み
最後にその日届けられた包みを投げ入れて
さっさと走り去ってしまった
彼女は家じゅうをきれいに掃除して
独りきりの生活を取りもどしたが
日がたつにつれて
友達一人ひとりの顔が思い浮かぶようになり
とうとう我慢できずに廃材屋を訪ねた
廃材屋は迷惑がることもなく
届け主が廃却することを望んだので
ちょうど処分の最中であると告げた
慌てて焼却場へ向かう
[次のページ]
   グループ"喪失の物語"
   Point(1)