香春盆夢歌(かわらぼんゆめうた)/恋月 ぴの
 
「わたしたちのからだ ここに入るのね

その言葉は 墓前に供えた白い花より麗しく
遠くに 在るもの いつか 訪れる
その日を見据えては 永久 に さすらい


「わたしたちの心 あの雲になるのね

見果てぬ空は菫色のマチエール
気まぐれに その姿を移ろい
それでいて 確かな明日を巡る 道のり


ふたり 思いやる心 が あれば
いつか 乗り越えて行ける
あの 菫色に浮かぶ 雲のように


ふたり 見つめ合い 合わす掌に
そよぐ 香の深い息遣いを感じ
恋は束の間 それでいて 夢はるか

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